第6話【友人と学園】

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ようやくななかの抱き付きから解放(流石に見かねた音姉に注意されると名残惜しげにしつつ離してくれた)され、ほどなくして学園が見えてきた。 「おはよう諸君。相変わらず華やかだな」 唐突に後方から偉そうな声が聞こえてきた。まあ、こんな仰々しい話し方をするのは一人しかいないが… 「…おはよう、杉並。お前も相変わらずのようで」 「フフフ…そう誉めるな」 「誉めてない」 俺が無愛想に言うと不敵な笑みを浮かべる。"義之"時代からの悪友の杉並だ。下の名前は知らん。というかアイツの下の名前はさくらさんの見た目と同じくらい風見学園の七不思議的な気がする。 「おはよう、杉並くん。また何か企んでまゆきを困らせたらダメだよ?」 「フフ…なんのことやら。勝手に高坂まゆきが付きまとって来るだけだ。俺はまだ何もしていないぞ?」 「"まだ"なんだ…ι」 音姉に注意されるも杉並の奴はニヤリと不敵に笑いながらはぐらかす。確かにアイツは普段は対したことはしないが、学園祭などの大きなイベントでろくでもないことをやらかすためにまゆき先輩をはじめ、生徒会には要注意人物として挙げられている。 「さて、俺はそろそろ行かせてもらおう!アディオス!」 杉並が再び偉そうに挨拶して颯爽と去っていく。…と、そのとき。 「まてー!杉並ー!!」 去っていった杉並を追う人影。言うまでもなくまゆき先輩だ 「おはよ、まゆきっ」 「ああ、おはよう音姫…って、杉並を引き留めてくれないとダメじゃないっ!」 「え~?私なんで怒られるの!?」 それはごもっとも 「杉並くん"やっぱり"何かしでかしたの?」 確定事項か。まあ奴ならやりかねんが 「あいつ放送室にふしだらな物を放送しようとしたのよ」 そう言ってまゆき先輩は没収したR-18指定なブツを音姉に見せる。あ、嫌な予感 「…え、え…」 「音姫?」 「音姉?」 フルフルと震える音姉。 「えっちなのはいけませーーん!!」 「うわっ!?」 「ひゃう!?」 突然音姉が激昂し俺とまゆき先輩を放置していつもの三倍(俺的主観)で杉並が去った方向へ猛ダッシュしていった。ちなみに由夢は「やっぱり…」と言わんばかりの呆れ顔、ななかと小恋はポカーンと目を丸くしている。俺は思わずアイシアの幼い声で悲鳴を上げちまった… 「ちょ、音姫!待ってって!」
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