神様からのプレゼント

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喋るのは苦手なシナンだが、文字は非常に得意。 と、言うか。 読書量がハンパ無い。 遊園地とかより図書館の方が好き。 ネットの掲示板などは、文字を打ち込んでいる間は焦らないで済む。 喋ると、相手が待っていると焦ってしまう。 パキスタンの公用語は、英語。 元々イギリスの植民地だった地域で、各地方で日常言語が違い、法律などは英語で書かれている。 一応、山本家の中で話しているウルドゥ語がパキスタンでは優勢だが、他言語の地域の反発が有り、公用語は英語だ。 ちなみにウルドゥ語はインドのヒンドゥー語とペルシャ湾岸地域のペルシャ語が混ざり合った方言のような言語で、ヒンドゥー語もペルシャ語もだいたいなら判る。 世界で最も難しい言語とされる、アラビア語と日本語。 日本語など、漢字も有れば動詞がめちゃめちゃ変わる。 変わらない 変わります 変わる 変われ とか、変わろう   など…。 “来る”の変格活用とか、もうイジメじゃ…? 彼岸(ヒガン)とか出納(スイトウ)とか時雨(シグレ)とか、難しいと言うよりナンセンスじゃ? 読める方がどうかしている…。 だいたい「私は」の“は”を“HA”ではなく“WA”と読むのなら、どうして“わ”と書いてくれないんだ…。 それに比べて英語はアルファベットを覚えれば文字はOK。 動詞もsやedが付くとか…まぁ…日本語より全然簡単…。 シナンにとって英語は、ダイレクトにシンプルに伝えるスタイリッシュな言語…という感覚。 日本語は確かに難しいが、理解すれば様々な技巧を駆使できて微妙な細かい部分を柔らかな音で繊細に表せるドラマチックでロマンチックな、とても優美な言語。 まぁ…。 シナンくらいの語学力が無いと、ちょっと理解しがたいが…。 ある時、パキスタンの旧宗主国であるイギリスのサイトをノホホーン…と眺めていた。 この時点で、かなりグローバルな小学生だ。 いくつかイギリスのサイトをウロウロしていたら、ある書き込みに目が留まった。 (以下、本来は英語) 名前:ピコ 私は、13歳の男子です。 母は南米のボリビア人で、父は西アフリカのガーナ人です。 ガーナに住んでます。 ガーナは英語が公用語で、クイーンズ イングリッシュに触れてみたいです。 私は、事故で車椅子生活をしています。 誰か、私と友達になってくれませんか?
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