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物心ついた頃からお父さんは 『スーツを着た恐い顔の人』 で、仕事でろくに家にいないし、いたとしても自分の部屋に籠って仕事の続き。 それでも家族の会話が無かった訳じゃない。 食事に出かけることもあったし。 ただ、お父さんと直接話すことが無かっただけ。 お母さんとお父さん。 お母さんと私。 そういえば、お父さんに甘えた記憶なんてあったかな? まぁ無くても仕方ないよね。 小さい頃の私は自分が言うのも何だけど、今よりも髪の色が明るくておめめはパッチリ。外国の子供服のモデルかと思うくらい可愛らしかった。 守るとは決めたものの自分とは似ても似つかない子供。 懐かない私に愛想が尽きたのかもしれない。 愛せる訳が無かったのかもしれない。 私には興味を示さなかったから。 だから私もいつしかお父さんを避けるようになってた。
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