10:猫にマタタビ

5/28
8171人が本棚に入れています
本棚に追加
/887ページ
「い、いまさらって!大事なことじゃないですかっ」 恵美は、怒りか恥ずかしさか、はたまた両方なのかも分からぬまま、顔を真っ赤にして叫ぶ。 しかし、和成は笑いが堪えられないらしく、しばらく笑い通しだった。 「ちょっとお、笑いすぎですよ……」 なんだかもう、情けなくなってくる。 それを察したらしい和成は、目を擦りながらようやく恵美に向き直ると、あっさり言ったのである。 「お前、あんなに俺が好きって言ってたのに、無視してたわけ?」
/887ページ

最初のコメントを投稿しよう!