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少年は、元から白い顔面を青白くさせた。
焦点の合わない視線の先には、仄かに光を帯びた召喚陣。
その中心には、黒髪の美丈夫が体育座りしていた。
現実を忘れるべく教本を繰る少年。三周して、諦めた。
「…お前、何?」
「山男に見えるか?」
ぐりぐり首を横に振る。
「幼い召喚師、何を怯える?」
貴方が得体の知れない存在だから、とは間違っても言えない少年。モゾモゾ教本を弄り倒す指先が言い訳を探す。
「課題が終わらないから?」
「私に聞くな」
顔に教本投げつけても良いですか………?
少年は投擲体勢に入ろうか真剣に悩んだ。
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