1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「課題とはそんなに難儀な物か?」
「普通は余裕で出来るはずのものだね」
少年がぶすくれた表情を向けてやると音速で目をそらす美丈夫。
少年は諦めるように溜め息を溢すと、帰喚の詞を召喚陣に描き足した。
薄れていく美丈夫が口をパクパクさせていたが気にしない。
「よし、もう一回やろう」
床を清めながら頭を回転させる少年。
方法を少し変えて、今度は他の召喚の詞を使用してみるか。
両手にチョークを持ち召喚陣を描いていく。教本すら見ないで準備をスラスラとこなす様子は時に教授陣を唸らせると言うことを少年は知らない。
「出来たっ!!」
完全に線を結びきると三歩身を引く。途端に、輝く陣が煙を吐き出す。
煙の中から現れたのは、
帰したはずの美丈夫だった。
最初のコメントを投稿しよう!