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母は、生まれつき体が弱かったらしい。
俺を産んでさらに悪化したみたいで、俺はベッドの上で横になっている母さんしか覚えていない。
母さんはいつも青白い顔で、骨と皮しかないような細い腕で、俺を力なく抱いていた。
でも、それで充分幸せだった。
毎日祖母に連れられて母に会いに行っていたし、家では年の離れた姉がよく遊んでくれた。
寂しいと思ったことも、自分が可哀想だと思ったこともない。
だって、これが俺の日常だったから。
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