序章

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仕事の合図だ 店主の男は一瞬驚いたがすぐにもちなおす 「珍しいな。いつもは女のほうなのに、今日は何か違うのか?」 そこではじめて男が喋り出す 「いや、そいつは別の仕事で出ているだけだ」 「そうか」 店主が短く言うとちょうどテレビの画面がニュースに変わる 「戦争か・・・」 男はテレビのニュースを見ながらつぶやく テレビの中のアナウンサーはロシアとの間に勃発した第三次世界大戦について用意された原稿を読んでいた 店主はグラスを磨きながら言った 「結局戦争が始まったって言っても日常は変わんねえよ。ロシアの戦闘機だっていまだに日本海を突破できねえっていうしな」 グラスに息を吹きかけさらに磨く 「だいいち、科学が30年先を進んでいる学園都市に旧型の戦闘機を使うロシア軍が勝てるなんて誰も思っちゃいないだろ。核兵器を使ったってどうせ撃ち落とされるだろうしな」 「まあな」 男は適当に返し会話はそこで途切れる
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