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名忘れの図書館
とある世界 とある場所
そこにある図書館の名を 誰も覚えてはいない
いや むしろその図書館が存在するかどうかすら
確証が無いのだ
かろうじてその場所を知るものがいたとしても
一体いつ 誰が なぜそこに建てたのかもわからない
今見える図書館は そんな場所なのである
あるものは 夢の中にあるといい
あるものは 時空の狭間にあるという
どれが正しいのか 言ったことも見たことも無いものにとっては
わかりえるはずもなく
ただ人々はその噂(うわさ)のみを耳にし
まるで幻のような図書館だと 言うのである
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