二、夜∽旧校舎

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その表情だけで結果は手に取るようにわかるが一応聞いてみる。 「何もない……?」 「あぁ、それらしいものは見当たらない」 ポロン…… 「えっ!?」 「ひぃっ!!」 その音を聞いた瞬間、僕の体は危険を察知して反射的に全身を硬直させた。 脳が理解するよりも早く全身に伝導するのは恐怖。 一瞬誰かがイタズラでやったのかとも思ったが、一番やりそうなみっちゃんは今ピアノから離れた位置にいる。 僕と藍那ちゃんは例外として、次に可能性の高い瑠偉先輩は僕たちの後ろにいた上、今回は怯えているようなのでピアノに触ったとは考えられない。 となると緑川先輩しか残されていないが、そういう事をして喜ぶ性格でもないし、その本人も驚いたようで目を丸くしている。
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