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その表情だけで結果は手に取るようにわかるが一応聞いてみる。
「何もない……?」
「あぁ、それらしいものは見当たらない」
ポロン……
「えっ!?」
「ひぃっ!!」
その音を聞いた瞬間、僕の体は危険を察知して反射的に全身を硬直させた。
脳が理解するよりも早く全身に伝導するのは恐怖。
一瞬誰かがイタズラでやったのかとも思ったが、一番やりそうなみっちゃんは今ピアノから離れた位置にいる。
僕と藍那ちゃんは例外として、次に可能性の高い瑠偉先輩は僕たちの後ろにいた上、今回は怯えているようなのでピアノに触ったとは考えられない。
となると緑川先輩しか残されていないが、そういう事をして喜ぶ性格でもないし、その本人も驚いたようで目を丸くしている。
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