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「カルラっーーー!!」
そこへ現れたのはアルディア。
既に抜き放った剣を構え、俺へと振るう。
「何故だっ!!」
幾度も俺を切りつけるアルディア。
「何故貴方が……っ!!」
目に涙を浮かべ、幾重にも刃を重ねる。
それをただ黙って――
俺はその身に受け続けた。
強靭な肉体の前に、かすり傷程度しか与えられないアルディアの剣――
衝突に耐えきれなくなった刃は、刀身半ばから二つに折れる。
キィィィン――と、甲高い音が周囲に響き渡る。
折れた刃が俺の額をかすめ、赤い血を垂らした。
「満足したか? それじゃ――」
無表情で一歩踏み出し、アルディアの肩を掴む。
「――俺は……」
口を開くアルディアに構わず、腹部にナイフを突き刺した。
「――貴方の様になりたかったのに……」
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