僕と俺

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広めの応接室に案内した後、事務の人にも手伝って貰って、全員に飲み物を用意する。 コーヒーと紅茶を用意した。 淹れたのは・・・・・俺。 だって・・・・事務の人・・・・・紅茶はティーバックで、コーヒーはインスタントで出そうとするんだぜ? いや・・・・・外国のプレスにそれはないだろ? で。俺が手際よく淹れたら、驚いてた。 まあ・・・・・そりゃあ・・・・そうだよな。 出すのはお願いして、俺は、彼等の相手をする。 彼等も、俺なら母国語で話せると理解出来たのか、勝手に話しかけて来るから対応が面倒! いい加減に来い!って思った頃・・・・・・廊下が騒がしくなった。 俺は後ろに下がって気配を消してみた。 直ぐに理事長が入って来た。 あの青年も一緒だな。 理事長のSPなのか? 同時に、あの先生も入って来た。 「いや。だから、理事長・・・・私は・・・・・・・・」 先生がブツブツ言っていたが、理事長はその先生を見据えて言った。 「でも、貴方が入力したのは間違いありませんよね? 履歴も、貴方の研究室からでしたし・・・・・貴方以外には居ないと思いますが?」 理事長の言葉に、悔しそうに黙ってしまった先生。 全く。 こんなセキュリティも甘いような場所でやる事じゃねえよな。興味本位で軽い気持ちで打ったんだろ? まさか、即日バレるとは思わずにな。 向こうも有能な人材は、出来るだけ早く確保しようとするから必死なんだよな。 間抜けな話さ。
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