零日目 始まり

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 この日は異常に暑い日だった 7月に入り、日本が過去最高気温を叩き出した今日この日 私はとあるボロマンションに越してきた 安い家賃で済ませたい! 誰もが思う当たり前だ その欲のせいで少しボロッちい部屋だった しかしそんな事どうでもいいッ! だって社会人二年目で念願の脱!実家! 私の初めての一人暮らしが始まると思うとボロい部屋でも輝いて見える そう心の中で呟きながら段ボール箱の中身を整頓していく 「よし!、これで最後の荷物が片付け終了!」 不知火 夏海(しらぬい なつみ)は手をパンパンと叩き手についた汚れをはらう 「ふぅ~……!」 夏海はその動作を終えるとごろんと床に寝転がり 自分が初めて見る実家以外の天井を見た そしてまた一息つき呟いた 「社会人になってやっとの一人暮らしだわ 自分の家、自分の家具、何をしてもいい空間ッ! ほんとさいっこぉぉッ!」 夏海は寝転がりながらノビをした 「明日からまた仕事だけど頑張れそうだ!……ふぅ…」 夏海はそう言うと引っ越しの疲れか、まぶたを静かにとじそのまま静かに眠った 「一人暮らし万歳……ムニャ……」
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