序 章 転校生

2/18
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
 あー、今日も学校かぁ……。勉強もくそ面倒くさいし、中3って嫌。早く卒業したいよ。  何か楽しいことないかなー。  ブツブツと心の中で呟きながら、上靴に履き替える。  家と学校がまぁまぁ近いことが、結構いい。けど、自転車だけどね。  ゆーちゃんの靴がある。今日も早いなぁ。  ゆーちゃんとは私の友達の宮川柚(みやかわゆず)のこと。黒髪のセミロングがとっても似合ってるんだよねっ!!  優しいし、最高の友達だよっ!!  教室に向かい、ドアを開けた。  ゆーちゃんはすぐに気づき、私に手を振ってくる。  私も振り返して机に鞄を置く。 「みっち、おはよ。今日は転校生がくるらしいよ。楽しみだね」 「えっ!? 転校生っ!? 微妙な時期だねー」 「あははっ、確かにー」  ゆーちゃんは色んな情報を持ってるんだよね。いつも初めて聞くことばかりだよ。  はっきり言って全く興味がない私は、ツインテールの髪をいじる。茶色は地毛。  ツインテールにくくるのは、結構難しい。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!