第13団体

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そして遂に一枚岩ではないとはいえなんとか『ノーベルハイト』内を統一することに成功したのである。 それがつい二月ほど前。 その頃はアノールが思わず「これで安心して眠れる」とぼやいていた程である。 まぁ勿論そんなにぐっすりと安眠させる気は更々なかったがな。 働ける奴にはぶっ倒れない程度で働いてもらわなければ困る。 だが、おかげで俺たちが此処に左遷された名目である治安維持というのは十分に果たした。 後ろ暗い奴らで俺が気に入らなかったり邪魔な連中の悉くは容赦なくぶち壊させてもらったからそれだけでも治安はぐっと引き上がった。 その他は続々と増える駒を使ってゴロツキは取り込んだり文字どおりに消えてもらったり。 勿論言うことを聞かないような頭の中身が足りないような連中には見せしめになってもらったのだが、それが効果抜群だったようで今じゃあ従順な駒さ。 まぁ、俺の前に出るとガタガタ震えだすのがたまに傷だがその程度だ。 そして統一を達成した祝いに一つの工事を始めた。 それがこの完成した闘技場(コロッセオ)である。 これには駒や奴隷を使うことなくこの街の底辺で暮らすような連中を使っている。 これに関してはちゃんと給金をはらっているが別にこれは慈善事業ではないし、俺がそもそもそんなことをする筈がない。 目的はこの街の経済能力を底辺から底上げするため。 発展してもらわねば困るのだ。 今までこの街ではごく少数の人間に大量の金が集中していた。 それでは経済能力は街単位で上がることはない。 大金持ちが居ようとソイツ一人が使う額なんてたかが知れているし、この街の大金持ちなんてどいつもこいつも豚のような連中ばかりで使われる用途が大きく片寄っていた。 だからこそ大金持ちの殆どを身ぐるみ剥がして排除して中層階級を増やす為に押収した金をばらまいたのだ。 大金持ち一人が金を使うよりも千人の中層階級が金を使った方が全体からみれば金の回りはいいし、消費量も増える。 これこそ経済の活性化に繋がる。 それに度重なる抗争や俺が潰しにいったせいで“不幸にも”瓦礫の山となった元建物も消えて一石二鳥。 おかげでこれからの計画もやり易くなった。
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