ある満月の夜

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「……近衛さんは笑顔が綺麗で、笑顔の方が似合います……」 「………………」 え、無言なんだけど。無言でマジマジと見詰められてるんだけど。え、どうすれば良いのかな。逃げて良いのかな。 「………………てだ」 「え?」 「初めて、そんなこと言われた」 初めて? え、綺麗なのに? 似合ってるのに? ・・・・・・・・・。 「……お前、名前は?」 ふえっ!? な、名前!? え、俺のだよね!? 俺の名前を聞かれてるんだよね?? 「ぁっ……、志島 海斗です……」 「志島 海斗、な。海斗って呼んで良いか? んで、俺のことも空哉って呼べ」 「ぅえぇぇぇええっ!!?」 「お前、一々面白ぇな。海斗。ほら、俺の名前呼べよ」 「ぁぅ……、…えぅ…」 「海斗」 にゃーーーーっ!! 囁かないで!! その低音エロボイスで囁かないでっ 「――そこで何をしている!!」
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