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「な、な、なに言ってるんですか!?冗談もいい加減にして下さい!あたし、この前土川さんと廣瀬さんが話してたの聞いてたんですから…」
顔を真っ赤にして、抵抗する青山は物凄く可愛かった。あー、今すぐにでも押し倒したい。
「…ずっと、引きずってたんだよ俺。昔の好きな人を。けどさ、青山のこと知るたびにもっと知りたいって思えてきたんだよ」
「なに言ってるんですか…。この前だっていきなり…」
強引に青山の頭を胸に抱き寄せた。彼女は音を立てずに泣いていた。
「ズルイです…いつも…いつも。あたしばっかドキドキして…廣瀬さんクールだし、こんな小娘なんて相手してくれるはずない…」
「うるさい。青山って、ほんと鈍感だよな」
「…廣瀬さん」
「…?」
泣いて真っ赤になった目が俺を見つめた。
「あたし、廣瀬さんが思ってるよりも廣瀬さんのこと好きです。多分」
「…ふっ。なんだそれ」
俺の彼女はヒヨコみたいに懐っこい笑顔で俺に寄りかかる。
愛らしくて、守ってやりたくて…毎日会わないとどうなるか分からないような危なっかしい彼女。
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