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「俺、実はあの日、屋上で隼さんと会う前から、隼さんの事、知ってました。」
「前から?」
「はい。初めて会ったのは、俺がなくしものをしたときです。そのとき、隼さんが一緒に探してくれて。」
探し物?覚えてねぇな…。
「でも隼さんは覚えてないと思います。俺、隼さんと初めて会った時、前髪長くて顔とか隠れてましたし。」
確かにそりゃ覚えてねぇかも。
「その俺がなくしたもの、大切なものだって言ったら、隼さん、一生懸命に探してくれて。その時から隼さんのこと気になりだして。初対面なのに一緒に探してくれたから。」
「……。」
「それからは、ちょっとでも隼さんに近づけるように、前髪も切って、顔をだして…屋上で会った時は嬉しい反面、なんて話せばいいか頭の中は真っ白で……。」
「輝…。」
「それから、マサと3人でよく話すようになって。最初は憧れだけだったのが話していくうちに、だんだん好きになっていって…。だから、さっき隼さんが俺の事好きって聞いて、すっげぇ嬉しくて………。」
あぁ…
何してんだ俺。
「だから……」
早く言えよ、俺。
「だから……俺………」
輝に言わせんのか?
「俺……隼さんのことがす…!?」
「輝…俺はお前が好きだ。」
輝を抱き寄せ言う。
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