第1章

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姫香は、紗雪と一緒に暮らしている白狐族の一人だ。 女の子のような名前だが、れっきとした男の子……オスの白狐だ。 紗雪より二つ下の14才、可愛いらしい顔をした美少年で、無邪気で人なつこく、みんなから可愛いがられてした。 紗雪も、姫香のことは弟のように思っていた。 だが、それを言葉や態度に出すことは滅多になく、むしろいつも邪険に扱っていた。 それでも、姫香はめげずになついてくる。 天真爛漫(てんしんらんまん)を通り越して、(こいつ、馬鹿じゃねぇの?)と思う時もあった。 「天使のような」という表現がまさにぴったりの、少年だった。
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