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ガンが猫魔族メイドのペロと、今日もお掃除をしている。
「∑∑ド迫力っ!!!」
ガンが、驚愕の雄叫びをあげた。
今日は、城の塔をお掃除する日。
その塔の最大の特徴は、最上階に設置された“エンディコットの鐘”。
塔の最上部には巨大な空間になっていて、そこに人間社会で教会で結婚した時などに鳴らされるような鐘が、なんと108個も取り付けられている。
巨大な物はガンが両手を広げたよりも大きい。
何種類もの鐘が有るが、同じ音を連続して出せるように、同じ型の鐘がそれぞれの音階に何個か設置されている。
一つ一つの鐘は上部を棒で固定されていて、それを回す事で鐘を揺らして鳴らす。
その鐘を鳴らす棒からはコードが伸ばされていて、すぐ下の階に設置されているある装置に繋がっている。
「なんだ…?コレ…」
ガンが見慣れないその装置を興味深そうに眺めていると、ペロが教えてくれる。
「これで操作して、鐘を鳴らすのよ?
鐘のすぐ近くだと、大きな音で耳が痛くなっちゃうから、ここで演奏するの。
ちょうど良い大きさの音で聞こえるように、工夫されてるのよ?」
操作して鐘を鳴らして演奏するというその装置は、一見すると大きめの水槽のようだ。
その中に、円筒状の金属が横に設置されている。
「これでか…?」
「うん。
よく見てみて?
筒の下。
いくつも爪が並んでるでしょ?」
「ああ…」
「筒に突起ができて回ったら…、この爪を弾くわよね?
オルゴールみたいに」
「……でも、筒に突起なんてねーぞ?
ツルンとしたただの金属の筒じゃねーか…」
「この筒は、エンディコットの鐘の基盤なの。
この基盤に、エンディコットの家督者が魔力を注ぎ込むと、筒に突起を思う通りに出せて、回せるのよ?
そうすると、あのエンディコットの鐘が鳴り出すの☆」
「うっはぁー…。(汗)
すげー大掛かりなオルゴールだな…?(汗)」
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