真相

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「ヒロと婚約して、私の助手になってくれ」 保孝はすっかりイズミを気にいった。 ヒロは不機嫌に言った。 「お父さん、そんな事を言うと、例え冗談でもイズミに悪いでしょう。それにイズミは他の人とお見合いもしているし、縁談が降るようにあるみたいです」 「え、何でそれを?」 イズミはヒロがお見合いを知っていた事に吃驚した。 「あれは親父が無理矢理に・・・」 「お父さん、早く帰ろう。イズミ、じゃあね」 ヒロは話途中なのに保孝を引っ張って行ってしまった。 茫然と立っているイズミに、突然冷たい風が吹いてきた。 「さむ!」 思わずポケットに手を入れると、夕実の入れたメモが手に触れた。 取り出して読んでみると、携帯番号やメールアドレス、趣味や生年月日、学校等、夕実のプロフィールが事細かに書かれていた。 重い足取りで家に帰った。
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