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翌日、大瀧は真っ先に教室に来ていた。
大瀧は教室に入って来る生徒一人一人の顔を見る。
後になって斎藤や折咲も学校にやって来た。
「よ、とりあえず一日は終了したんだな。」
「縁起ねえ事言うなよ。匠で最後だよな。ならちょっと耳貸せ。」
大瀧は斎藤の耳元に顔を近付ける。
「まず俺の右隣にいるイヤホン付けた女子。それと左上端の金髪の不良、三列目一番前の超のっぽ君。」
「昨日の依頼主の話か?そいつらが怪しいと。」
「いや、その三人は絶対にない。」
「は?」
「特徴があるなら覚えられてるだろ。つまりはその三人と俺達三人を抜いた三十六人が少なくとも容疑者って事だ。」
「その決め付けは早くないか?依頼主が変装の能力なら誰でもいいはずだ。」
「そんなら俺と同じクラスの学生証を提示しなくったっていいだろ。」
「いや、同じクラスなら殺す動機も作りやすいんだろ。少しでも接点があれば犯行に繋げやすい。」
「ん、その点は考えてなかった。じゃあごめん、今の無し。」
斎藤は溜め息をつく。
「まあ馬鹿は馬鹿なりに考えてて良かったけどな。」
大瀧はふてくされる。
「バカって言うなよ。で、匠は何か考えて来たのかよ。」
斎藤は自信たっぷりに指でこめかみを叩く。
「サタンの参謀を甘く見んなよ。俺が考えたのはクラス全員を光の針で攻撃するってやつだ。」
「光の針ってコートの?」
「そう。で、あれと同じコートを雁真が着て遠くで観察する。針はこの際似たものなら何でもいいだろ。で、その時の反応を見る。そいつはコートの男を見てるんだから何か他とは違う反応を示すはずだ。」
「なるほど。やってみっか。でも道具はどうすんの?」
「もう用意してあるぜ。コートと光るようになっているちょっと分厚い針を持って来た。鞄の中に入ってるぜ。」
「おう!準備早い!」
その時笠松創が教室に入って来た。
「はい、じゃあ今から抜き打ち持ち物検査をしまーす。」
笠松の言葉へのクラスのブーイングの中、大瀧と斎藤は固まった。
「タ、タイミングわりぃー…。」
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