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「朱雀さんがゾンビ・・・。」
野木は力尽きたようにぐったりとしている。
「ショックでしたか?」
「明日、朱雀さんに直接聞いてみます。」
「ふふん。更なる絶望を味わいたいのですね。ドMぅ!」
「うるさい!!」
野木はHMの後頭部を押して浴槽の縁に頭を叩きつけた。
「がっ・・・!?」
「あっ、ご、ごめん!」
野木はすぐに我に返った。
ついカッとなり、大変な事をしてしまった。
「だ、大丈夫?」
「危うく頭蓋骨が割れるところでしたよ。」
HMの額から、血液が一筋流れてきた。
野木は素直に非を詫びた。
「ごめんなさい。」
「可愛いから許す。」
そう言ってハグをした。
「HMちゃんは変態なの?」
「本格的に、絶対的に、致命的に変態なのですよ。」
「年齢はいくつなの?」
「ふん。女性に尋ねてはいけない質問ベスト5に入りますよ。」
「わたしなら答えますけど。」
「あ~はいはい。30くらい?」
「ふざけないでください。」
「まあ30歳まではいかないかもしれません。でもそれくらいのイメージでよいでしょう。」
「本当だったんだ・・・。」
「私もいよいよ三十路でございますよ。泣けてきます。」
HMは一度湯舟に沈んだ。
「ぷはっ。でも、私に年齢なんか関係ありませんので、まだまだ人生を楽しみますよ。」
「へえ、そう。」
HMは顔の湯を手で拭った。
「それに、私には大きな目標がありますからね。とっても大きな、目標が。」
「それは何ですか?」
HMは人差し指を立てて、野木の唇に押し当てた。
そして誘惑的な声でささやいた。
「ひ・み・つ。」
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