プロローグ

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この世界に物語なんて物があったならば。きっと僕は登場人物表なんかには載らない存在だろう 結局のところ人生なんて、ただの始終善に向こうと徹しつつも、始終死に向かうだけの戯れ言だし、僕は面白おかしくそれを彩る道化なんてものにはなれやしない かといって、憎き敵役や愛らしいヒロイン、格好の良いヒーローになれるかなんていったら、そんなものは誇大妄想も甚だしいというものだ 僕は精々エキストラ。脇役でさえありえず、ましてや主人公なんてもってのほか。語り部なんて概念すら、当てはまらない しかし、だ そんな僕でさえ、一つの存在を一つとして数え、観測することくらいはできる。その行為になんの意味がなかったとしても 例えば友達の、『最強』 圧倒的過ぎる身体能力と、何でもこなす徹底的なセンス、人の手には余りうる、決定的なスペック もはや強さで彼に勝てるものはいないだろう。勝負であればまだ分からないが 例えば友人の、『無敗』 彼はなにもかも普通でありながら、僕と同じようにただの一般市民的能力しかないながらも、彼は無敗だ。負ける事はない それは言うなれば言葉の綾のように、棘をくわえるなら揚げ足取りのように、敵を作らないのではなく、そのままの意味で無敗だ 彼に敵対しても無意味。どんな勝算があろうと、必ずその方程式は敗北へと繋がる それが彼
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