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「ばっちり撮れてますよ」
と、梓ちゃんが差し出してきた携帯には間抜け面をした女装姿の俺が写っていた。
「これがどうかしたの?」
そんな写真を見せられても梓ちゃんの行動の意味は全くわからない。
「にぶちんですね。私があなたの弱みをつかんだってことですよ」
「弱み?」
「そう。つまり、あなたと私の立ち位置が明確になったてこと。ようは今日からあなたは私の奴隷ってことです」
小悪魔のような笑みを浮かべて梓ちゃんが言った。
※※※
「はぁ…」
いったいこれからどうなってしまうのだろう…。
ホームルームが終わり、クラスメイトたちは部活や委員会に行ったり、帰宅したりして教室には俺以外誰ものこっていない。
普段の俺なら帰宅組なので真っ先に帰るのだが、今は昨日のことで頭がいっぱいで直ぐには帰る気にはなれなかった。
「奴隷…か…」
言葉の意味だけならわかるが、実際にどんなことをやらされるのかは全く予想できない。
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