三年前の出来事、そして結末へ

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翌日嵐がおさまると、ようやく警察の応援が到着した。 島中を調べ、写真を撮り、足型を採り、指紋を採取した。 その後警察は、スパナ、血染めのシーツ、細工されたドアチェーン、血の付いた小舟、花瓶、そして瓶に入った無数のハンミョウの死骸を発見し、証拠品として押収した。 刑事は四人殺害について真砂美を取り調べた。 「いつ、どうやって殺した?」 「一昨日の夜、四人の部屋にホテルからのサービスだと、コーヒーを届けました。それは毒入りで、飲めば助けを求める前にすぐ死にます。それで明け方になって、死体を運びだす為に、マスターキーで部屋へ入りました」 「ドアチェーンは掛かっていなかったか?」 「ドアチェーンはすぐ外れるよう、予め細工してありました」 「それで四人は計画通りに死んでいた?」 「それが土岐柚枝、常呂京香、漆原澄子の三人は部屋で死んでいましたが、花方早百合は飲まなかったようで、死んでいませんでした。それで彼女だけは部屋の花瓶で就寝中の所を、頭を殴って殺しました。血が飛び散りましたが、後で掃除しました。花瓶は海へ捨てました」 「四人を運ぶのは大変だったんじゃないか?」 「電動カートで運びましたから、力はいりません。全て立河さんがやりました。私の仕事は、翌日になって死体発見現場近くで、わざと謎の女を人目にさらし、今殺したように思わせる役でした」
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