終章 ~約束・三度目の正直~

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「週末には桜が満開だって。見に行く約束だろ?はやく目を覚まして行こう……」 開けた窓からは春の風。俺はその風と共に、1週間前からずっと眠り続けたままの妻の頬を優しく撫でた。 すると意識のないはずの妻が微笑んだ気がした。 一度瞬きをしもう一度妻をみる。しかし目の前顔は普通の顔だった。 が、さっきよりも頬に赤みがさしているようだった。 「そうか、楽しみだよな。でもご褒美なんだから治さないと行けないぞ」 俺はわざと軽い言い方をしてそっと頬を撫でてやる。 その頬はとても暖かく柔らかくて……。 堪えきれなくなった涙が溢れだし頬を伝った。
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