5人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
ハービィの答えにグレンは首を傾げる。
人間は、言っては悪いがどの種族の中でも最も弱い。
グレン達魔族や竜人からすると、その差は歴然だった。
そんな人間達が何故?
「フム……。だが、人間達はエルフやドワーフにすら負け続け、魔力だってほんの少ししか宿していない。それなのに、自分達が世界を支配していると思っているのか」
不思議に思うグレンに、ハービィは更に続ける。
「それに、人間達に限った訳じゃないですよ。エルフだって最近は自分達が最も優れた種族だってドワーフを見下してるし、竜人族だって自分達が最も強い種族だって獣人と睨み合ってる。どこもかしこも、いつ戦争がはじまったっておかしくないんです。まぁ、幸いうちはトップが世間知らずですから?そんな事は起きないでしょうが。でもね、あなたが気にくわない連中だって居るんです。狙われてるって自覚してください」
「う、うむ……」
ハービィの矛先が自分に向いて来たと感じたグレン。
しっかりと聞いておかないと、後で何をされるか……。
くどくどと、グレンへの不満にシフトチェンジしてきたハービィのお説教に、グレンは無意識に背筋を伸ばした。
.
最初のコメントを投稿しよう!