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「誰だっけ?」
その言葉より、氷のように冷たい表情に凹みそうな私。
「………朝、列車のドアにスカート挟んで、助けてもらったんだけど…」
私は、一人恥ずかしくなってきて、傘もささず立っている晃志に、
傘を突き出す。
「は?」
「これでチャラ」
私は彼の手首に傘を引っ掛け、そのまま、ダッシュで駅に戻ろうと階段を駆け上り、
………登ろうとして、
足を濡れた階段で滑らせた。
「わっ!!!」
私のカバンは飛び、
膝と肘を強打して、その手は、血だらけになった。
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