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第一条例 ジョブルール
多田羅県、鞍賀市。
生まれも育ちもこの市に在中の美青年、旧屋洸児郎は、相変わらずのフリーターライフを送っていた。
「よし、金はたんまり稼いだ。極上美人(彼女)も手に入れたことだし、後は、初デートでイカセてやる」
洸児郎は、ダンディーな父親似のイケメンだ。
母親は、ピカソ画までは言わないが、酷く醜かった。たまに「息子はあたしに良く似てイケメンなのよ」と、うそぶくのが口癖だ。
世間の晒し者というべき存在だと洸児郎が思うくらい嫌なタイプの母親像である。
家族構成は、父・母・長男の三人家族。長男の性格は、やや母親似なのか、ずる賢い。
自分でもこの母親の性格が丸写しになっているのを怨んでいるくらいのずる賢さが、現在でも嫌でたまらなかった。
知らないうちに、ずる賢くなっていると言われたりするのが多く、この性格を半分諦めていた。
だが、先日やっと二十歳にして、初恋が成就したのだった。
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