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ジブスタラを出たダリル達は一路南を目指す。
最初の目的地は滅んだと言われるタフォールの街である。
タフォールは先日ダリル達が討伐した飛竜に襲撃され壊滅したとされる街である。
街道を南へ抜ければ、ジブスタラから数日で着く場所にある。
ダリル達は途中で獲物を狩りながら南下する。
とりあえずは、巨竜や巨獣には出会うこともなくタフォールへ着くことができた。
「これは酷いな」
呟くようにダリル。
「そうだねぇ。
ここまで壊滅的になっているとはねぇ」
ロゼッタも唖然としたように告げる。
カリンはダリルの後ろで震えている。
「かぁ~っ。
ここまで被害がねぇぃ。
流石は飛竜といったところだねぇぃ」
ハゲルが頭を掻きながら言う。
艶やかな禿頭を手で撫で回すようにしている。
「ふむ。
生き残りが居るか確認して見るか」
そう告げるとダリルは瓦礫とかした街へ踏み入れた。
いまだに腐臭と焦げた匂いが漂っている。
吐き気を催す臭いである。
街路も瓦礫で埋まり移動は困難を極める。
ロウムやレンビギなどが徘徊しており、それを狩りながらの移動となった。
「こりゃ、とてもじゃないが生存者はいないねぇ」
ロゼッタが溜息を吐いて告げる。
「まぁそうだろうよ。
襲撃があってから何日経っていると思ってるんでぃ」
(確かに)
ハゲルの意見にダリルも思う。
奥へ進むほど被害が酷く、これ以上は時間の無駄だと思われる。
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