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よく見るとウォルヴは、ダリルが倒した獲物を引き摺って来ていた。
無論、ウォルヴが単独で行なったことではないであろう。
ロープを身に引っ掛け、荷を運んでいるようだ。
獲物は荒く解体され、皮を下にして繋がれている。
それを引き摺って来たようである。
結構な量だが、雷獣のウォルヴだからこそ、可能なのだろう。
しかし、簡単にしか行なってないということは…
「ふぅ。
こいつぁ、アタイらにも手伝えってこったねぇ」
ロゼッタが告げると…
トゥースが薪束を引き摺って現れるのだった。
明かり用でもあるのだろう。
だが、それよりも、燻製用の薪の用だ。
乾いた薪も存在するが、生木も含まれている。
生木を燃やしたら、大量の煙が発生する。
通常、洞窟内では使用することはない。
洞窟内に煙が蔓延してしまうからだ。
だが、ココにはカリンがいる。
彼女が放術で風を操れば、煙だけを一箇所に集めることは可能である。
それを見越しての行動であろう。
「ダリル兄ィ、酷いや。
オイラ、もうちょっとタファーといたかったのにぃ」
プックリと頬を膨らませて告げるカリン。
一方、ウォルヴとトゥースは、荷物をハゲル達が受け取ると引き返す。
2匹はダリルの命令には忠実だ。
だが、基本、ダリルから離れようとはしない。
常に近くに陣取っているのだった。
そういう意味では、ヴォルとバルは、カリンにビッタリであるが…
2匹が去ると、3人は解体作業に入るのであった。
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