近くにいても

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涼介は 元彼だけど、大事な人。 涼介にとって あたしは… ただの元カノで、クラスメート。 「待って」 「え?」 悲しくなり 涼介は体調悪いし 黙って部屋を出ようとした時。 呼び止められた。 「……何?」 「…今日、なんできたの? 俺が風邪引いてるから?」 「…………そうだよ」 すると涼介は 突然、不機嫌顔になった。 なぜか そんな顔をあたしに向けた。 「なんでそんなことすんの? 元カノのくせに」 「えっ…」 「俺のことも、ずっと避けてたじゃん。なんなの?」 怒ってる。 確かに避けてた。 だって、どうしていいかわからなかった。 涼介とは 普通の接し方が、わからない。 「一方的に振ったくせに、別れてからも無視とか、何? 最悪にも程があるよ」 「…………」 “最悪” そんな風に思ったんだ。 ああ。 本当にくるんじゃなかった。
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