第三拾七話 濁り

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旦那さん『アレ?…………消え…た』 姿すら見えなくなった。 マサシさんと違う? 霊の姿は人によって見え方が違う。それは表情も指す。 俺『どんな顔されてましたか?』 旦那さん『アレがマサシ…似てる、似てない、でも面影はある。でもあいつのあんな顔…』 一人でブツブツと呟き始める。 俺『洋平さん!』 旦那さん『でもアイツが…』 目が虚ろで呟きが止まらない。 やばいな…暗示か? 霊と目が合う事により暗示にかかることもある。そうなると自分の世界に入り抜け出せない。 ヒドイ時には精神が崩れる。 まだ初めの段階… 俺は旦那さんの耳元で右手の親指で人差し指の爪をパチッと弾き、肩を払った。 旦那さん『えっ?あっ…アレ?』
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