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ガチャ
カランカランッ
暗闇に光る目。
パッ
シャンデリアが辺りを照らす。
貴方の目の前には1羽の梟が、器用に鳥籠の鍵を外して出て来た。
「おやおや……お客様とは珍しい。
探偵である主は就寝しておりますが?
違う?違うと申されましても、
あの店にはあと私しか居りません。
成る程、どうやら貴方は私に用事があるようですね。
心を満たすお話がお望みですか。
勿論、構いませんよ?
では改めまして、私は梟、
名を八桜(ヤザクラ)と申します。
人間の感情、人間ではない者の感情。
人間の思考、人間ではない者の思考。
ありとあらゆる内面と呼ばれるものが聞こえてしまう者。
そんな私は今宵で千年回目の誕生日を迎えます。
不思議に思われるのも無理はございませんが、本当の事なのでございます。
だからこそ得た能力を駆使し、悩みを抱える全ての人に、その人に合った物語りをお話しする仕事をしております。
さて、今回は天宮23丁目で起きた甘くも切ない話。
人間である女性と血を憎むヴァンパイア。
彼の全てを受け入れた女性と同族殺しの罪を犯したヴァンパイア。
彼等の想いは貴方の目にはどう映るでしょうか。
滑稽?不幸?それとも……?
相手を大事にしたい心、
相手を思いやる気持ち、
貴方は押し付けていませんか?
自分が正しいと思えたその行動を、
愛した人にかけたその言葉を、
何故、
他人に共感して貰いたいのですか?
この2つの恋の行方……、
貴方が描いたHappy endではなくとも、
彼等はきっと笑顔で幸せな毎日を
自分達の手で創っている事でしょう。
では、blood rose。
~血に濡れた者の儚き恋の歌~
どうぞ、ご観覧あれ……。」
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