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まあ、なんていうか。
ネタ晴らしというか、自己防衛というか、殆ど言い訳のように主張すべきことが僕にはある訳で。
端的に言ってしまえばコレは夢だ。但し夢想であって妄想ではない。
だから僕は別に裸の幼女に性的な興奮を覚えるような性癖は持ち合わせていないし、目の前に佇む全裸の女の子に対して特別な感情を抱くこともない。
朝、ノックの音で目が覚めてドアを開けたら、生まれたままの姿で朝もやの中に立つ女の子がいた。
勘違いはしないで欲しいのだが、前述の通りこれは夢の中のお話だ。目覚めたという描写はあるけれど、それも夢の中での出来事である。
「助けて欲しい」
僕の心の声を彼女は呟いた。
それには同意せざるを得ずに、頬を掻いていた指の動きが止まり、ついつい頷いてしまう。
それを承諾と取ったのだろう。
僕の脇を抜けて室内に入り込んできた矮躯にますます困惑もとい混乱する。
「え? え? え?」
法律的にはどうなのだろう。
アウトだろう。というか、ゲームセットだろう。近所の善良な住人にもしも目撃されていたら、僕は即効で警察の厄介になってしまう。もっとも、これが現実ならば、だが。
何度も何度も言っているように、ここは僕の夢の世界だ。
妄想ではないと言ってしまったが、日頃の妄想の賜物と言っても過言ではないだろう。
いや、歩く児童ポルノ云々はまったく持って想定外なのだけれど。
とにかくここは夢の世界で、ここは僕の家で、僕は、おそらく村人D辺りに該当する役割を担っている。
意味がわからない? 僕にもわからない。あまりの急展開に理解が蚊帳の外どころか家の外だ。帰ってこい。
「狭い家だな」
ソファに座り、彼女は言う。
一糸纏わぬ姿だというのに、堂々とした態度だ。うちの親父でももう少し恥じらいというものを持っている。
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