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俺はロキ・メーデル。イギリスに住むごく普通の高校生だ。
今日も学校が終わると、友達と遊ぶ事もせずまっすぐ家に帰った。まあ、早く帰っても俺以外は誰も住んでいないのだが。
「ただいまー。」
家に着き誰もいない室内に向かって挨拶をする。誰もいないとわかっていても、家族で幸せに暮らしていたあの頃のように誰か出てきてくれるのではないか、そんな気がして毎日こうしている。
夜まで適当に過ごしベットに入った。特に疲れているわけでもないが、今日はすぐ眠りに落ちた。
どれくらい時間がたっただろう。何かが壊れるような大きな音で目を覚ました。
「なんだ!?」
音のした方を見ると、ベットの向かい側の窓際の壁が破壊され土煙が舞っていた。
そしてそこには、月明かりに照らされた人影が浮かんでいてゆっくりこちらに近づいていた。
俺は得体のしれない恐怖でその場から動けずにいる。
やがて土煙が晴れると、その人物の姿がはっきり映し出された。その人物は上下黒のスーツに身を包みサングラスをかけていた。武器らしいものは何も持っていない。
その人物は俺の目の前まで来ると、男の低い声でこう言った。
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