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【声】を頼りに
――――数十年前
「おい、本当にこの小僧は我と適合するのだろうな」
「信用ならないなら貴方信仰が無くなってこのまま消え散るしか道がないわよ。生きたいなら私を信じなさい」
「チッ……貴様の言う通りにするのは癪だが……仕方あるまいな」
「交渉成立、ね。それじゃあ早速やるわよ」
パチン。と、女の指から音が鳴る。その瞬間、男が光に包まれる。身体は見る見るうちにに丸い球体に変化し、宙に浮いた。そしてベッドの上に眠る傷だらけの少年の身体に沈んでいった。
「もう少しだから……もう少しで、この生き地獄から解放してあげるからね……」
眠る少年の頭を優しく撫でて、女は宙に浮かぶ裂け目に入って消えた。
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