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「ぢくじょぉぉぉぉ!!」
悪魔皇帝の居城の一室でドグは叫んだ。
「あのガキども!絶対に殺す!!」
チーヌとトトを格下に見て失ったのは右半身に牛火刀。
ベッドの上でわめきたてるドグは、スミスは見下すように見ている。
「命があっただけでもいいだろう?」
人を殺すことや遺体を玩具にして楽しむドグは死んで当然だとは思うが、すんでのところでドグを救ったのはスミス自身だ。
出来ることをやらなければ悪魔皇帝に疑われてしまう。
「へっ!見下しやがって……。だが俺も負け続ける気はねぇよ。奴らは次はここに来るはずだ。スミス、働いてもらうぞ」
ぐひひと声を上げて笑うドグ。
「勝手にしろ」
スミスはそう呟いて部屋を出た。
今日も城には断末魔が響く。
どれほど人が悪魔皇帝の食事と成り果ててもまだまだ人は溢れている。
妻と子が帰ってこない限り、スミスにこの場を逃げる術はないのだ。
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