―序章―

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爽やかな笑顔が余計に腹立つ。 気がつけば、ポスターにガンを飛ばしていた。 本当であれば、破り捨ててやりたいところだが、俺にはそんな勇気はない。 いつも、ここぞとばかりに一歩下がって結果を待つ...そんな人生を歩んできた。 大学を出たときもそうだった。 周りが一生懸命に就職活動をしていたため、自分もやらなきゃいけないのか...と、思いながら適当に日々を過ごしていたら、気がつけば卒業して一年が過ぎていた。 というよりも、まともな就職活動なんかしていなかった。 学生時代のバイトを延長すれば、わざわざ新しく仕事を探すこともないし、そこそこ食っていけた。 むしろ、そんなフリーター生活が楽だった。 とりあえずこのままでいいか...と、気楽に思っていたのだが、現実はそう甘くはなかった。 .
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