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主任は私を見つめたまま自分の指を私の指に絡めていく。
主任に触れられている指が熱を持つ。
そして、全身にその熱がいきわたっていく。
どうして、主任はこんなこと?
「主任…、何で…」
聞きたいことは沢山あるのに、主任の行動についていけず、恥ずかしさと戸惑いでうまく頭が回らない中、やっとのことで言葉を口にだす。
「…彼氏なんていないくせに。」
主任がクッと笑いながら、大きな手を私の指先からゆっくり上に移動させ手首を優しく包み込んだ。
主任の言葉にハッと息を飲む。
「…どうして、知って、」
「ねぇ、何であんな事言ったの?」
主任が射抜くような瞳で私を見つめる。
「あんなに酒飲んで、あんな顔してたのはどうして?」
「それは…、」
何て答えたらいいのかわからず、声だけが震え主任をただ見つめることしかできなかった。
「岬さんをそうさせたのは誰?」
主任が優しく包み込んでいた私の手首に力を入れグっと私を引き寄せた。
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