始まりの罠

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 ものすっごく暑い日。 もう水分流れ尽くしたんじゃないか――と、思ってしまうほどの汗。 「あっちぃ……」  こりゃもう堪らんと、自動販売機でジュースを購入。 ペットボトルに入った炭酸飲料で、喉を潤そうとした瞬間―― 「――うおっ!?」  派手にジュースが飛び散った。 正にジュース爆弾。  独特の糖分がベタベタと纏わりつき、そりゃもう不快以外のなんでもない。 何処の馬鹿がこんな罠を仕掛けたんだ――と、肩を落としながら歩く俺。 「ついてねぇなぁ……」  さっきは犬の糞踏んだし、空からカラスの糞が落ちて来たし―― 糞はついても運はつかないというね。 「あーもうアレだ。世界滅びろ」  そう嘆きながら、飲み干して空になったペットボトルを放る。 勿論ゴミ箱へ――だ。
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