文化祭

3/6
2294人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
桐島は本当に別人のように変わっていた。 ここにいるのは、僕の知っている桐島淳弥ではなかった。 僕は絶対に桐島の事を許さないし、きっと一生、桐島の幻影に苦しめられるだろう。 だけど、もう、過去の異物を溜め込んだツボの蓋を開けるのは嫌だった。 誤魔化すことができない感情は、ずっと側にいる。それでも、僕は今の生活に光を見いだしたかった。  先に進みたかった。 ……もう桐島とは関わらないでおこう。 僕は、桐島との再会でうやむやになっていた決意を、改めて思い出していた。 山本恭子に想いを伝える決意を。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!