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当然、梨花は反発した。自分は違う、そんなんじゃないと。
だがその声は聞き入れられず、もとから短気でもある梨花は、結局自分を化け物と呼んだ相手に手をあげる。そしてケンカを繰り返すのだ。
しかしそうすると、学校というところは面倒くさいもので、すぐ親に連絡がいく。それで梨花は、毎度父に叩きのめされているわけだ。
鬼子とはいえまだ子供。父の熟練の体術には適わない。
「ちくしょう……」
物騒なつぶやきを漏らして、土蔵から開放されたその日の夕方、梨花は家とは逆方向にある公園に向かって歩いていた。
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