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ろくろ首 10
おれの大学でも、毎年何人かがキャンパスセクハラで懲戒免職になっていた。
懲戒免職になった奴の中には自殺した者もいた。
女子学生の中で、今度は誰を訴えるか相談している悪のグループがいると聞いていた。
彼女達は狙った獲物は決して逃がさない。
ありとあらゆる誘惑の手段を用いて、教授達を攻撃してくるのだ。
おれはヒロミもそのグループに属しているのではないかと疑っていた。
熱中症になったのに、どうして病院へ行くか家に帰らなかったのだろう?
熱中症というのは演技ではないだろうか?
研究室でおれを待っていたのは、おれをはめるためではないか?
おれの心に疑心暗鬼が渦巻いていた。
「ヒロミ君、ありがたいが今日は帰った方がいいんじゃないか」
おれはヒロミから離れながら言った。
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