第1章

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ろくろ首 10 おれの大学でも、毎年何人かがキャンパスセクハラで懲戒免職になっていた。 懲戒免職になった奴の中には自殺した者もいた。 女子学生の中で、今度は誰を訴えるか相談している悪のグループがいると聞いていた。 彼女達は狙った獲物は決して逃がさない。 ありとあらゆる誘惑の手段を用いて、教授達を攻撃してくるのだ。 おれはヒロミもそのグループに属しているのではないかと疑っていた。 熱中症になったのに、どうして病院へ行くか家に帰らなかったのだろう? 熱中症というのは演技ではないだろうか? 研究室でおれを待っていたのは、おれをはめるためではないか? おれの心に疑心暗鬼が渦巻いていた。 「ヒロミ君、ありがたいが今日は帰った方がいいんじゃないか」 おれはヒロミから離れながら言った。
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