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時刻は9時を過ぎようとしている。
最初に淳から萌が出掛けたと聞いたのは6時を少し過ぎた頃だった。
まさかこんなに遅くまで待ってないよな。
『遼ちゃん……約束だよ』
待ってなくてもいいから行かなくちゃ。
でも、萌なら待っているはず。
きっと今日見つけることが出来なかったら、2度と会えない気がする。
「萌……」
まだまだ駅は遠くて、慌てて出てきたから松葉杖を持たずにいることを悔やんだ。
1つずつよみがえる記憶を噛み締めながら、一歩ずつ前に進む。
本当なら20分も歩けばつくはずの駅に、結局50分もかかって到着。
目の前には大きなクリスマスツリー。
キラキラと飾られたその周りは恋人達であふれていた。
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