第1章

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ハジマリの終わり後日譚 3 「デビル中佐、みう記者をお借りして行きます。斥候のセイジが京子に捕まって、穴に埋められているんです。みう記者は人質になってもらいます。セイジと交換するためです」 ケンジはそう言うなり、みう記者を連れてテントを出た。 「みうさん、申し訳ありません」 ケンジはみう記者に詫びた。 「僕はこの模擬戦闘訓練にどうしても勝ちたいのです。みうさんを人質にするなんて、本当はしたくなかったのです」 「そうかしら?ケンジ君の顔には、勝つためには手段を選ばないと書いてあるわよ」 「ばれましたか」 ケンジはにやりと笑った。 「みうさんのおっしゃる通りです。僕は勝つためには何でもやりますよ」 ハジマリの終わり後日譚 4 「ケンジ君、私は疲れてもう歩けません。おんぶして」 みう記者は言った。 「ええっ?」 それはケンジにとって想定外の申し出だった。 負傷した隊員を背負って戦場を駆け抜ける訓練は、今までもたびたび実施して来た。 しかし、女性をしかもみう記者のようなナイス・バディな人を背負うのは初めてというか、何が起きるかわからない未体験ゾーンだった。 「さあ。早くおぶってちょうだい。私は大切な人質なんでしょ」 「わかりました」 ケンジは自分の背のうを腰の前に括り付けると、みう記者をおんぶした。 「楽チンだわ」 みう記者は大きな胸を、わざとケンジの背中に押し付けた。 「ひゃあ!」 ケンジはたまらず声を上げた。
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