scene002

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「よしっ行こーう!!」 再び腕を掴まれ、引きずられるように生徒会室を出た。 勿論、失礼しました。と礼儀は忘れずに。 「転校生くんはどこにいるんですか?」 白衣のポケットの中にある、2枚のカードキーを確認しながら、両隣を歩く2人に質問をする。 まぁ、王道くんなら攻め専用の磁石によって、引き合わせるようになっているから、分かるはず!! よく分からない思考を巡らしながら、赤い絨毯の上を進む。 「あーどこだろー?」 「まずは教室!授業がまだ7限の途中だし」 未だに腕を掴んでいる、もはや、絡めている朝日奈くんが元気な声を上げる。 午後の授業開始のチャイムが鳴ってからのその数を思い出しながら数えると7限ということが確認出来た。 無駄に豪華な廊下を抜け、金色に輝き毒々しさ思わせるエレベーターを降り、人気がなく静かなA棟を出た。 少しそこから歩けばいつもの風景に戻った。まるで夢から醒めたように、スッと現実味が降りかかる。 まぁ、両隣を歩く輝く2人を見れば、夢ではないことが分かるのだが。 2人の話に合わせ、軽く相槌を打ちながらSクラスを目指して歩く。なんて可笑しい光景なんだろう。普通だったら保健室でダラダラ過ごしているのに…。 「あ、そーだー……はいっ」
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