プロローグ

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死のうと思った……。 特に深い意味はない……。 学園での成績が悪い訳ではなかった。これでも魔法の成績は学園でもトップ10には入る自身があったし、一般科目でも上位の成績だった。それに体術も他の教科に比べればできないほうだけど人並みにはできた。 でも、毎日学園にいって、寮に帰って寝る生活が嫌になった。毎日、その繰り返し。起きる学園に行く、つまらない授業をうけ、帰って寝る。そんな生活に意味はあるのであろうか? 人生に意味はある……。 確かにそうともいえる。でも本当にそうだろうか? 人生に意味などあるのであろうか? もし人生に意味があるのだとしたら、私の人生は何のためにあるのだろうか? 毎日同じことの繰り返しの生活の中にいる私の人生に……。 もし、意味なんてないのだとしたら生きている理由もないんじゃなかろうか……。 そんなことを最近ずっと考えてきた。はじめの方はこんなこと考えてはいけないとなるべく考えないようにしていたがあまり効果はなかった。 そして私は死ぬことにした……。 ある授業で年配の先生が言っていった。 この国では一年間に約二万人もの人が自殺すると。 それは魔物などと戦闘して死ぬ人の数よりもはるかに何十倍も多いのだそうだ。 この言葉を聞いたとき自殺なんてする人の気持ちが知れなかったが、今なら分かるような気がする。 きっとこの人たちは私と同じように人生の意味を考え絶望したに違いない。 幸いなことに私には両親がいない。学園の孤児院で育った。こういう時両親がいれば自殺をするなんてことは考えないのであろうか? まぁいない私にそんなことは分からないが。 学園の友達は悲しむであろうがそれは分かってもらうしかない。寮の私の部屋に遺書はきちんと置いてある。 ありがとう。 ただそれしか書いてないがれっきとした私の感謝の言葉である。
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