第1章〈ここは冥府?〉

19/23
221人が本棚に入れています
本棚に追加
/426ページ
「おう、わしもじゃ」  おじいさんも、走って戻っていったオジサンの後を追いかけていった。  二人が道をかくす霧の中に消えて、あたしたち女三人が取り残された。 「どうします?」  あたしは、その場にたたずむ二人に声をかけた。 「あたしゃ戻らないよ。生き返ったところで寝たきりさね。嫁も冷たいし、生きてたって楽しいことなんてありゃしない」  おばあさんはひがみっぽかった。
/426ページ

最初のコメントを投稿しよう!